虹色の尾を引きながら美しい軌跡を刻み付けて飛翔する自機と、その美しさに華を添え耳朶を刺激するテクノサウンド。
『One More Line』は目と耳のご馳走だ。しかし、その味を堪能するには少しばかりの忍耐を必要とする。高い難易度という壁がプレイヤーの前に立ちはだかるからだ。
ゲームがスタートすると、自機が画面上方に向かって自動的に直進を始める。プレイヤーの任務は行く手に点在する障害物(ポール)及び左右の壁に衝突せぬように可能な限り先に進むこと。ただし、プレイヤーには障害物を回避するために自機の軌道を直接制御することは出来ない。許されているのは画面をタップ→ホールドしてワイヤーを伸ばし、それを障害物(ポール)に引っ掛けてポールを支点としてクルクルと回転することのみ。その状態から任意のタイミングでワイヤーを切り離す(ホールドしていた指を離す)ことで軌道を修正しながら上を目指していく。
文字に起こすと何やら複雑そうだが、実際に触ってみればそのゲームメカニックは即座に理解できるだろう。要は点在するポールを使い、スリングショットの要領で先へ先へと進んでいく訳だ。
しかし、そのゲーム内容は“Easy to Learn, Hard to Master”を地でいくものであり、気持ち良く遊べるようになるには相当に努力が必要となる。ワイヤーを引っ掛けてリリースするという仕組みそのものは単純なのだが、一瞬一瞬の判断と適切なタイミングでそれを行おうとすると途端に難易度が跳ね上がるのだ。それだけに、自機をうまく制御して連続してポールを上っていけるようになると最高の気持ち良さを味わうことができ、その気持ち良さに少しでも長く浸りたいがために腕を磨き、気が付けば麻薬的魅力に取り憑かれて何度となくリプレイを繰り返してしまうのだ。
タップ&ホールドのみの操作で構成されたゲームプレイは実に洗練されたもので、「スマートフォンのゲームはかくあるべし」といった姿を体現している。
カードの強さやキャラクタのパラメータではなく、プレイヤーの親指に蓄積された経験値だけが正義であり、それに応えてくれるフェアなゲームプレイが清々しい。
派手なグラフィックでも、面倒なだけのソーシャル要素でもなく、純粋なゲームプレイにこそ用事があるんだという者は、このゲームを試してみると良いだろう。
【広告表示について】
プレイ画面下部に常にバナー広告が表示される他、ゲームオーバー数回ごとに全画面広告が表示される。
これらが邪魔に感じる場合(つまり、このゲームに熱中している証拠だ)、ゲーム内課金で表示を無効にすることができる。
【運ゲームなのか?】
障害物(ポール)の配置にランダム性があり、その点に若干の運の要素が絡むのは事実である。
ただし、難しい配置が来た場合でもプレイヤーの操作でカバーできる場合が殆どであり、ミスをしても納得感がある。
つまらないミスで失敗したことが自覚できるからこそ、「次はもっとうまくやるぞ」というモチベーションが喚起され、ドップリとハマってしまうのだ。
カードの引きの強さであったり、攻撃のヒット判定や防御の回避判定などといった要素とは無縁のゲームであり、“運ゲーム”という指摘は適切ではないだろう。
★Ver. 1.0.3★
fps(フレームレート=描画速度)の安定性向上。
依然としてfpsが落ち込むことはあるが、前回Ver.のように激しくガクンと落ち込むことはなくなった。
ゲームオーバー時に累計死亡数が表示されるようになった。
oGMNo about One More Line, v1.0.3